親の歯科医院を継承した場合は吉か凶か!?






歯科医師が開業する際に常に抑えたいのが『ランニングコスト』である。

その中でも最も病院格差が出るのが「テナント代 (家賃)」だろう。

しかし、今回はそのテナント代についてではなく、そのテナント代がかからない…いわゆる親子による継承物件で病院を行う危険性について述べる。

通常病院のテナント代とは20〜30万円かかる所や、立地や条件によっては100万円や200万円月々に支払われている。
しかし、親の跡を継いだ歯科医師はそれが無い。

それだけ聞くと凄い良い!と思いがちであり、周りの歯科医師や開業コンサルタントもその様に言う。

もちろん、テナントに入るための保証金 (敷金) がかからないので初期投資も大幅に抑えられる。

保証金は大体家賃の10か月分か◯◯ヒルズの様な所では定額でかなりの高額のものが多い。

やはり普通に考えたら《有利》である事には変わりは無い。

ただし、まっさらで開業した歯科医師と比べて大きく違う所は、

「立地を選べていない」

と言う所である。

歯科医院もやはりビジネスをしなければいけないため、『立地選び』は重要である。

もともと立地が良いというのであれば問題は無いわけだが、昔の先生達の頃は歯医者不足の時代のため、どこで開業しても患者はたくさん来た時代である。

そのため立地を選ぶなんて事は考えていなかった。

むしろその逆で、人が沢山来過ぎない所を選らんで開業したと言う人もいるくらいだ。

そんな状態の歯科医院を継承すると言うのはとても危ない!

ただし本人に実力があると言うのであれば別だが、
(ここで言う実力は技術だけでなく、人にモテるかどうか、歯科医院を運営して行く細やかさあるかどうか、など総合的な意味がある)
多くの歯科医師は以前の記事にも述べた様に、普通に勉強して育ったものが多い。

要は人間的に爆発的なパワーが無ければ、それ以外のハードに頼らなくてはならないのが現実である。

それは、『立地』であったり、『最新機器』であったり、『オシャレな内・外装』に力を入れる事である。

本来ならば、人対人のため『人間性と技術』があれば申し分ないはず。

実は、立地が悪くても流行っている所はそう言ったソフト面に力があると言うことを多くの人が理解していない。

ただ、悲しいかなそれらソフトの部分は
《生まれながらにして決定している》
誰もが誰も歯医者になったからと言って、人生成功する時代はとっくに終わっている。

正直なところ、そのもともとの素質を持っていないものは、2世歯科医師とは言え開業するに値しないのかもしれない。

ただし、自分がそう言った人間(歯科医師)かどうかがわからない人もいるだろう。

むしろこう言った話をすると、「自分は違う」と感じるものの方が多い。

もし自分を客観的に判断したいのなら、過去の小学校位から高校位までを振り返るといいだろう。

自分が
【クラスの人気者であったか】
【生徒会長などを経験したか】
【部活の長などを経験したか】

本来であれば人の中心に立てない人間が、開業して院長(社長)になるべきではない。

それでも、開業して自分の城を構えたいと言うのであれば、「自分は親の地盤を継ぐから大丈夫」と言う甘えた考えは捨てて、冷静に一から考えて判断して行かなければならないだろう。





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