本当に厳しいと言われている歯医者さん。3人に1人はワーキングプアという現実。それでもあなたは世の為人の為子供を歯科医にさせるのか?
「歯医者は儲かる」なんて言われていたのなんて、ひと昔もふた昔も前の事。 今はおよそそんな事のない時代になっています。 全国の歯科大学でも定員割れが多く出て、歯医者になろうとする子供達や、子供を歯科医師にさせようとする親が減ってきているようです。 莫大な学費と時間をかけても、将来得られる収入はそれと比例するほどはなく、むしろ「ワーキングプア歯医者」と揶揄されるくらいです。 本来は貧困と言うほど収入を得られない訳ではないのですが、以前思われていたような「歯医者=お金持ち」という図式は一部の成功している歯科医師以外は成り立たなくなっているように思われます。しかし、「歯科医師」は職業としてはとても重要なものの一つであり、なる人が少なくなるという事は相対的に業界のレベルが下がりやすくなります。(一概にそうとは言えませんが。)こんな、危機的状況を打破するために、なぜこのような事態になって来ているのか、また、それに付随して様々な歯科の知識を個人的見解で綴って行きます。
歯科医師と患者の気持ちのギャップは『メンタルケア』で。
前回の話において「歯科医師は『人間力」』をつけなければならない」と記述した。
医療の世界においてはそれは患者の心のいたわり、いわゆるホスピタリティの中の『メンタルケア』である。
歯科は医科と大きく違うのは、やはり人間の命に関わる様な処置が少ないという事。
そのため、患者からの評価と言うのはどうしても治療の内容の良し悪しだけではなくなる。
その点においてはある意味医科よりも歯科の方がシビアだ。
例えば、虫歯の治療で小さく歯を削って「コンポジットレジン」と呼ばれる白いプラスチックの詰め物を、丁寧に時間をかけて、パッと見た感じ天然の歯の様に詰めて、患者に鏡で見せても患者の反応は”いまいち”。
こんな事は日常の歯科医師の中でのあるあるらしいが、ここに問題がある!
何故多くの歯科医師が”患者の反応がいまいち”と思うのか?
それは、歯科医師だけが「こんなに一生懸命に素晴らしい事をやってるんだ!」と言う気持ちが強すぎるために、患者の"ごく普通"の反応を見て、ガックリと勝手に来ているだけでなのである。
患者からすれば、口の中の暗い所に銀歯じゃなく白ければあとは大して差はない訳で、咬み合わせが高かったりした方が違和感を感じるだろう。
そう、患者はそもそも白い歯に白いものが詰まっても「不思議」とは思わず、また、咬み合わせが高くなくて当たり前なのである。
むしろ長い時間口を開けてつらい思いをした事に対して、見合っている事なのかどうか?という、総合的な判断でその反応になる事を歯科医師は理解しなければならない。
それもわからず、「僕がこんなに一生懸命詰めたから、きっと患者さんは喜んでくれるだろう。」なんて、心のどこかにそんな気持ちが常にあるから、その反応に対してギャップが生じてしまう。
さも自慢気に鏡を渡して、患者は「はぁ」。
これでは、勝手に歯科医師が「やりたい治療」を押し付けているだけで、患者の求めている事、すなわち医療の本質には繋がっていない。
その様な治療を行っていれば患者からの評価など高まる訳がない。
歯科治療と言うのは時代によって変化するものであり、最高とされる治療も今現在はそう言われているかもしれないが、『10年後には意味のない事だった』なんてことは歯科医療の歴史を振り返ってみても多々あるそうだ。
どこかの高名な先生の言った事を鵜呑みにせず、自分自身で考え患者個々にあった治療を考え提案し、選択してもらう方がよほど良いのではないだろうか。
根の治療もそうだが、「マイクロスコープ」なるもので口の中を覗かれながら、「ラバーダム」と呼ばれるゴムを引っ掛けて長時間口を開けさせられ、何をやっているかは不明。
それでいてそれをやったから、やらないよりも確実に長持ちするかどうかは言い切れない。
こんな事では、患者は不安で来て嫌な思いをしてお金払って帰るだけ…。
いつまでも続く訳がない!
治療の内容云々ではなく、もし本当にその処置が必要でやった方が良いと思うなら、患者に対しては誠心誠意の説明をして、患者自身にその治療に対して「欲しい」と言う購買欲にも似た、『治療欲』を出させるくらい歯科医師が『メンタルケア』をしなければならないのではないだろうか?
開業歯科医師の『敵』それは…。
開業歯科医師には多くの『敵』が存在する。
これも歯科医師が過剰時代のためである。
「歯科医師過剰」これは競争の激化を生んでおり、これは多くの人に周知の事実となっている。
そのため、歯科医師は赤字にならないために模索する。
※利益を上げると言う意味ではなく、あくまで医院運営を最低限の健康的状態を保つための模索である。
人数が多く競争が激しいとなれば、その業種自体が他業種の人間からは『マーケット』と見られている。
その中でもここ数年増加しているのが『歯科医療コンサルティング』である。
歯科医療コンサルタントと言えども様々な業種の人間が流れ込んで来ているようで、
「税理士」
「公認会計士」
「元金融関係(銀行など)」
「元歯科メーカー勤務」
「元大手病院事務長」
「現役歯科医師(開業)」
「現役歯科医師(勤務)」
その他うさんくさい所で
「サラ金出身」
「不動産業出身」
「元ホスト経営」
「元IT関係」
「元宝石商」
などなど、数え始めたらキリがない。
何故こんなに流れ込んでくるのかと言うと、とある歯科医院物件あっせん業の社長がこんな事を言っていた。
「歯医者は経済の事など何もわかっていないのに経営者になってるが、お坊ちゃんでそこそこ金払いも良いから稼げる」
だそうだ。(ひどいもんである)
これら、「歯医者さん達の経営のためですよ~」と近づいてくる多くの者達が口にする言葉、それは『成功』である。
全ての業種にも言える事かも知れないが、『成功』をうたって寄り添ってくるふりをする輩にろくな者はいない。
この歯科医療コンサルを語った者たちのほとんどが歯科医院を経営した経験など一度もない。
また、自分の会社の経営もそこそこで他人に「あーした方が良い、こうした方が良い」ともっともらしい事を言う。
しかし、あまり経営が芳しくない歯科医師は何故かこれにはまってしまう。
現に数多く行われている「歯科医院経営セミナー」などに、多くの歯科医師が一生懸命参加しているのである。
そもそも、人の言った通りにやってうまく行くのであれば皆んなやっているだろう。
もっと言えば、経営がうまく行っている歯科医師はこう言うセミナーにほとんど参加した事が無いというのも事実。
こう言うセミナーもしくは、サイトのメルマガから情報を得ようとしても、『核』となる事を伝えている事はないと知る必要がある。
例えば
「ホームページで集客するのは大切です。そしてそのホームページが閲覧される事が最重要で、それはすなわち上位表示されるためのSEO対策をしましょう!」
これは➡折角ホームページを作っても誰にも見られなかったら意味ないですよ~、だから「〇〇(地名) 歯科」なんて検索した時に1ページ目に来ていないと誰も見ませんよ~。
という事であるが、これは口で言うのは簡単だが実はホームページが上位表示される事が確実に出来れば苦労しない訳で、その上位表示される方法というのは一切紹介されていない。
正確に言うと確実な方法は存在しないため誰にも言えない。
要は当たり前の事を目の前で言われて(文章で見て)、インターネットなどに疎い歯科医師は「ふんふんなるほど」と馬鹿正直に聞いているのである。
さらにこれにお金を払って聞きに行っている、これでは「歯医者はちょろい」なんて思われてもしょうがない。
もっと突っ込んで話せば、「無料の経営セミナー」これは自分の顧問先を増やして月々の顧問料を取るために仕掛けている戦略にすぎない。
また、その類のサイトから送られる「無料メルマガ」もそこに付帯されている広告で収入を得るのが目的で、その内容はもっともらしい事で歯科医師に「得っぽい」事を書いていれば良いだけで、ある意味そこに乗っかっている歯科医師は無料で登録していずれ見なくなっても、その業者の広告収入の手助けをしているお間抜けさんと言っても良い。
そういう歯科医療コンサル風の輩がもう今は手を引いているーなんてことは山ほどあって、この者たちに責任感などと言う感覚は初めから毛頭ない。
開業している歯科医師達はそんな事に時間を割いている暇があったら、もっとソフト面を磨かなくてはならない!
それは、歯科医療技術も大切だがもっと大切なのは『人間力』だ。
人と人との関係性を気付けないものは、どんなに良い治療をしようとも、どんなに最新の機材を使おうとも患者は治らない!
治療の技術や知識に重きを置きつつ、人と人との関係性を気付くことが出来れば「経営セミナー」になんて頼らずとも、自ずと患者からの評価は高まるであろう。
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